株式会社タクミ電機工業

タクミ電撃リクルートマガジン 2023.9月号

サムネイル:タクミ電撃リクルートマガジン 2023.9月号

批判によって人間の能力はしぼみ、励ましによって花開く!?

 史上最高に暑かった夏もようやく終わりを迎え、一気に秋らしい気候になってきましたね!

 さて、高卒採用試験が今月16日から順次実施され、弊社でも5名の高校生が採用内定を勝ち取りました!今回は、特別にその面接の一部を少しだけご紹介したいと思います。面接の最終盤、次の質問をしました。

 「私が部下と一緒によく行く小さな食堂があります。その食堂のランチメニューには500円の日替わり定食しかありません。しかし、その日替わり定食は、500円とは思えない品数(小鉢の数)、メインディッシュのボリューム、そしてご飯とみそ汁、キムチはセルフサービスでおかわり自由なんです!味も抜群で、どこか懐かしく安心する家庭の味です。11時30分を過ぎるとお店はサラリーマンや建設作業員で満席です。私は、その店主に『これだけの料理を500円で提供したら、お店は赤字ではありませんか?』と質問しました。すると、女将さんは『確かに赤字です。でも損しているとは思わないんです。』と笑顔で答えてくれました。さて、この回答を聞いてどのように感じましたか?」

 採用内定した高校生5人の回答は、言葉や表現はそれぞれ異なるにせよ、「お金の面では赤字かもしれないけど、お客様の笑顔や美味しそうに食べる姿、『ありがとう!』や『おいしかった!』、『また来ます!』という言葉が女将さんにとって何よりの利益になっているので、そのお店は赤字ではなく黒字だと思います!」といった趣旨の回答でした。まさに仕事の本質を見抜いた発言であり、弊社のキャッチコピーである「期待を超える感動」が何たるかを理解し、それを具現化できる素地を備えていると確信しました。

 ところで、 世界最大の自己啓発本と称される名著『人を動かす』の著者で、リーダーシップ開発およびコミュニケーション研修の権威として知られるデール・カーネギーをご存じでしょうか。カーネギーは著書の中で次のように言っています。

「我々の持つ可能性に比べると、現実の我々は、まだその半分の完成度にも達していない。我々は、肉体的・精神的資質のごく一部しか活用していないのだ。概して言えば、人間は自分の限界よりもずっと狭い範囲内で生きているに過ぎず、いろいろな能力を使いこなせないままに放置しているのである。これを読むあなたも、使いこなせず宝の持ち腐れになっている能力を種々備えているのだ。批判よって人間の能力はしぼみ、励ましによって花開く。なぜ、鞭の代わりに肉を、批評の代わりに賞賛を用いないのだ。たとえ少しでも相手が進歩を示せば、心から褒めようではないか。それに力を得て、相手はますます進歩向上するだろう。」

 現在、私は部下とともに秋田県と岩手県内の学校を挨拶回りしていますが、訪問先で部下のことを褒めていただくことがあります。本日は、本人が大の苦手意識を持っていて上司である私からも散々ダメ出しを受けているテレアポについて学校の先生から褒めていただく場面がありました。「電話いただいた際に忙しくて対応できないって断ったのに、どうしても先生とお話させていただきたいので少しの時間で構わないので何とかお時間をいただけませんかと懇願され根負けした。簡単に引き下がらず粘り強く説得を続けるのは、一朝一夕にできることではない。」その先生の言葉に力を得て、能力のつぼみが開き始めた部下は、人が変わったように堂々と笑顔で電話を掛けるのを背中越しに聴きながらにんまりする私でした。管理職(指導監督職)の役割は、社会や仕事の「厳しさ」を厳しく「教える」ことではなく、社会や仕事の「楽しさ」を楽しく「引き出す」ことではないだろうかと改めて思いました。

 食堂の女将さんは、たくさんのお客さんに囲まれて温かい言葉をかけられながら、今日もいい表情でお店に立っていることでしょう。

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