株式会社タクミ電機工業

タクミ電撃リクルートマガジン 2023.11月号

サムネイル:タクミ電撃リクルートマガジン 2023.11月号

2024年春、20代以下が過半数を占める!?

 みなさんは、「おばあちゃん仮説」という表現を耳にしたことはありますか?進化学の第一人者である東京大学の小林武彦教授は次のように言っています。生物の死に方は、大きく2つに分けられます。1つは、食べられたり飢えたり病気になるなど「アクシデント」によるもので、もう1つは、「寿命」によるものです。小型の生き物の多くは食べられて死にますが、うまく身を隠すなどして食べられにくくするか、ある程度食べられても大丈夫なくらいたくさんの卵や子どもを産む生物が生き残ってきました。サケやマグロが非常にたくさんの卵を産むのも、ある程度食べられたとしても残りが成魚になってくれれば子孫を残せるからです。ヒトは寿命で死ぬ生物に含まれますが、ヒトの場合は少し特殊で、老化して病気になって死ぬことが多いです。動物学的には子どもを産めなくなった時期、つまりメスの閉経を“老化”、それ以降を“老後”としていますが、ヒト以外の霊長類のゴリラやチンパンジーは、死ぬ直前まで排卵があり生殖可能です。一方、ヒトの女性は大体50歳くらいで閉経した後も30年以上生きます。進化学の世界において、ヒトが閉経後も生き延びるようになったのは、おばあちゃんが子育てに協力するなど“老化”した人が種の存続・繁栄に貢献した進化的な背景があったからだとするのが、『おばあちゃん仮説』です。

 もともとの人間の子育ては、多くの人の集団の中での共同作業が必要不可欠だったのです。ほかの動物と比べて、ヒトの最大のからだの特徴は脳が大きいことで、大きい脳を育てるには多くの時間とエネルギーを必要とします。ではなぜ、大きな脳がヒトに必要となったのかというと、進化生物学的には次のように考えられています。およそ250万年前、人類は捕食動物から身を守るための集団の形成と、多くの共同作業を必要とする高度な食糧獲得技術が欠かせず、そのためには協力的な知能を持たなければならなかったため、より大きな脳が必要となったと考えられています。その結果、ほかの動物と比べて子育ては大変な作業となり、親だけで育てるのは困難となり、血縁者、非血縁者を問わず、多くの周囲の大人たちによる共同保育が不可欠となりました。つまり、ヒトは他の動物を倒す強靭な肉体ではなく、頭脳で協力して勝負していく道を選びました。そのような進化の過程でヒトは大きな脳を持つようになり、その知性を育むために養育期間が他の動物より圧倒的に長くなり、お母さんだけでは対応しきれず、おばあちゃんやおじいちゃんのサポートが必要になったと考えられます。

 また、東京大学名誉教授で解剖学者である養老孟子氏は、次のように言っています。男性も含めて現代人の寿命がここまで延びたのは、シニアが社会に求められて存在している証拠である。シニアが社会基盤を整えて、その上で若い人が自由にイノベーティブに生きる。そういう2層構造があるからこそ、人間の社会は高い生産性を達成でき、発展していくのです。若者だけだったら、自分たちが欲望のままに暴走するのを誰も止められず、社会の秩序が乱れてしまうかもしれません。経験知が高いのはもちろん、バランス感覚が良くて、私利私欲が少なく、会社や国のためにがんばろうという気概があるのは、若者よりシニアの方が多いのではないでしょうか。

 平均年齢33歳の当社において、30代や40代が「おじいちゃん」になろうと悪戦苦闘しながら若手の指導・育成を行っています。人事・経営管理本部でもタクミーズ6ヶ月研修会「半人前研修」や定期的な個別面談によるフォローアップの実施に加え、若手クルーの指導に悩む若いおじいちゃんから相談を受け必要な助言やサポートを行うなど若いおじいちゃんを育成・応援しています!来春、20代以下が全従業員の50%以上を占めることになる当社において、会社の存続・発展を目指すために、「おじいちゃん」の育成・確保が急務と言えます(汗)

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