タクミ電撃リクルートマガジン 2024.1月号
ここ数年で新社会人の転職サイトへの登録者が急増 しています。登録者数は、この１２年で３０倍近くにまで 急増してます。背景には、若い世代の転職に対する価値 観の変化とキャリアに対する意識の変化があるようです。 まずは、転職に対する価値観の変化です。ある調査に よると、転職をポジティブなものと捉える傾向が、以前にも 増して強くなってきています。年代を問わず人財の流動性 が高まるなか、言い換えれば「転職するのが当たり前」の 時代になってきた中で、自分の最初の就職先をファースト キャリアと位置付け、転職を自己成長のための選択肢と して捉えている人が増えているそうです。
次に、キャリアに対する意識の変化について、ある調査結果をもとに見て みましょう。ご覧いただくと、スキルや経験を重視し、成長を求める傾向が 強くなっていることが見て取れます。こうした回答が増えていることについて 専門家は、「今の若い世代は将来の職業人生に対する不安から、自分で 自分の市場価値を上げていかないといけないと自然に考えるようになった 世代と言える。自分が望む働き方で自分が望む仕事を行うために、スキル や経験を求める傾向にある」と言います。先が読めない時代の中、若者は 今すぐには転職を考えていなくても、将来を見据えて段階的に自分自身を アップデートさせていきたいと考えているのです。
また、職場の雰囲気に関してこういった意外なデータもあります。 「現在の職場を『ゆるい』と感じるか」という質問に対して、36.4％が 「あてはまる」あるいは「どちらかと言えばあてはまる」と回答しました。 そして、「現在働いている会社でどのくらい働き続けたいか」と尋ねた ところ、職場が『ゆるい』と感じている人ほど離職の意向が高い結果 になったとしています。
調査を行った研究員は、こうした動きの背景にひと昔前とは異なる 「新しい安定志向」があると指摘しています。１０年ほど前まであった 「大きな会社、有名な会社に入る」、「公務員になる」といったような 安定志向が変わってきていると言います。キャリアの選択肢が増える 中、経験やスキル、人脈や太いパイプなど「自分に蓄えられたもの」があって初めて、自分の人生が穏やかで安定したものになるという、いわば『新しい安定志向』が裏打ちした成長期待だといいます。
そのような若者の成長期待に対して、企業はどのように対応していけばいいのでしょうか。松下電器の創業者である松下幸之助の人財観から目指すべき方向性について考えていきたいと思います。創業当初の松下電器（現・パナソニック）は無名の町工場であり、有能な人材の獲得は期待できない状況だったそうです。さらに松下は若いころから病弱であり、自らが先頭に立って仕事を進めることが難しかったため、可能性や能力を問うも何も目の前の人を信頼して思い切って仕事を任せる他なかったといいます。ところがそうしてみると、意外なことに任された人はイキイキとそれぞれの持ち味を発揮しながら期待に応えてくれる場合が多かったのです。そのような体験を踏まえて、松下幸之助は次のような人材観を持つようになりました。 「人間はダイヤモンドの原石のようなものである。その原石は磨くことによって光を放つ。しかもそれは、磨き方やカットの仕方いかんで、さまざまに異なる、燦然とした輝きを放つのである。それぞれの人が持っている無限の可能性を信頼するということが基本であり、そういう認識が持てなければ、いくらよい人財がいてもその人を生かすことは難しい。」
現在、当社の指導監督者（管理職）たちは、部下をよく観察し、そのポテンシャルを見極め、それぞれに合った研磨剤を使って丁寧に磨きをかけ、より光り輝くカットを施せるよう、絶賛アップデート中です！人事・経営管理本部という部署が新設されたことからもお分かりいただけるかと思いますが、当社では人財育成を最重要事項と捉え、管理職を招集して開催する月例経営MTGで人財マネジメントの研修を継続的に行っております。その結果、各事業場において若手社員に積極的に現場や仕事を任せ、成長を促進しようとする宝石職人が増えてきました！先日ある若手社員に「今の現場は楽しいか？」と問うと、「今週は地中配管のための穴掘り作業なんで正直つまらないですよ（笑）でも初めて任された現場だし、もう少しで電気らしい作業に移れそうだし、絶対に自分の成長に繋がると思うので立派にやり遂げます！」といい表情で答えてくれました。彼のように磨き上げられた色とりどりの美しい宝石たちがみなさんの安心安全な生活を守るべく今日も寒空の下で光り輝いています！私も負けじと、サントリーから発売された「顔の印象が変わる」と話題のメンズスキンケア商品を購入してアップデートしたいと思います（笑）
