タクミ電撃リクルートマガジン 2025.5月号
将来を賭けた勝率1/3のギャンブル!?
昨今、大手企業を中心に採用力強化のため新卒の給料を大幅に引き上げ、 入社後の昇給カーブを緩和するというニュースをよく耳にします。みなさんは、 日本の平均年収がいくらくらいかご存じですか。国税庁の民間給与実態統計調査によると、2023年の日本の平均給与は460万円だそうです。平均460万円と聞くと、「そんな高いの?」と驚く方も多いのではないでしょうか。実は、1,000万円超が5.5%にあたる279万人ほどで、その1,000万円プレーヤーが平均値を大幅に引き上げているのです。そこで、平均値と別に注目したいのが「中央値」というものです。今回の場合、全労働者を年収順に並べた際の真ん中に位置する金額のことで、中央値の方が平均値より実感に近いとされます。国税庁は中央値を明らかにしていませんが、おそらく中央値は300万円台後半だと推察されます。この数字はあくまでも額面ですので、所得税や住民税のほか社会保険料などを差し引かれた「手取り」ではもっと少なくなります。
そういった中、年収アップを狙って転職を検討する人も少なくないようです。しかし、転職の結果、年収は実際どうなっているのか転職の実態をお伝えします。〇〇ナビや〇〇エージェントのデータは意図的に操作している可能性があるので、今回は厚労省が発表した情報に基づいて事実をお伝えします。下のグラフが示すように、転職して年収がアップした人は全体の34.8%、ダウンした人も33.9%!つまり、転職で成功する確率は何と1/3ということになります!もし転職を繰り返して年収アップを目指そうとするならば、成功する確率は転職を繰り返すたびに低下していくことになりますよね。例えば、転職1回で1/3、転職2回で1/3×1/3=1/9、転職3回で1/3×1/3×1/3=1/27といった計算になります。つまり、年収アップを目的とした転職は自分の将来を賭けたギャンブルだと言えます。ちなみに、転職のコツはキャリアを磨き自分の市場価値を高めることらしいです。つまり、ノンキャリで『転職』といった大博打に出るのはリスキーな選択なので、現在の仕事を『天職』だと思って地道にキャリアを磨く方が安パイなんですね!
『天職とは、出会うものではなく信じるもの!』