タクミ電撃リクルートマガジン 2026.2
銀メダルでも「主役は佐藤」
みなさんは、ミラノ・コルティナ五輪の開催期間中、寝不足や脱水症状ではありませんでしたか?4年前の悪夢を乗り越えたスキージャンプミックス、大技に挑みメダルの色を変えた村瀬心椛選手、骨折しつつも大技を決めた平野歩夢選手、そして奇跡の逆転金メダルを決めたりくりゅうペア・・・こんなに感動するオリンピックは初めてです!そして、今回スポットを当てたいのは、2大会連続銀メダルを獲得した鍵山優真選手です。
男子フィギュア日本代表は、鍵山優真、佐藤駿、三浦佳生の3人。ミラノ・コルティナ五輪のショートプログラム(SP)では、それぞれ2位、9位、22位で折り返し。日本のエース鍵山はSPでほとんどの要素で加点を得る完成度の高い演技を披露し、103.07点を記録。最小限のミスに留めるほぼパーフェクトな演技を見せ、108.16点をマークした首位イリア・マリニン(アメリカ合衆国)の後ろにつけた。
勝つために鍵山が挑んだのは、今季初挑戦となる高難度ジャンプ・4回転フリップを組み込んだ攻めの構成。「どうすれば(マリニンに)追いつけるのかをひたすら考えている」と語っていた鍵山は、世界王者イリア・マリニンを超えるため、基礎点アップを狙い、1月に自らの決断でプログラム構成を見直し、オリンピックの大舞台でこのジャンプを投入することを選択。「父から、たとえ全部転んだとしても最後まで戦ってくれさえいればそれでいいから」と送り出された鍵山は、冒頭の4回転サルコーでわずかに軸が傾くと、勝負に出た4回転フリップでは着氷で手をつき出来栄え点で減点。コンビネーションジャンプで立て直したものの、中盤の4回転トウループでも着氷でバランスを崩すなど、めずらしいミスを連発。それでも強みのスピンとステップでは全てレベル4でGOEも獲得。最後まで諦めずに戦い抜き、合計280.06点で2大会連続の銀メダルを獲得。
「率直に言うと悔しい思いがすごくありますが、4回転フリップを含め、しっかりと挑戦という形で残せて、最後まで戦い抜けたことに未練はないです。次の試合に向けて、もっともっと強くなりたいなと思えた大会でした。もちろんいいパフォーマンスがしたいっていう思いがすごくありましたけれども、構成をしっかりと上げて挑戦することに意味があると思って挑んだので。成功という形にはならなかったんですけれども、しっかりと4回転フリップという形で残せたこと、そしてショートと合わせて十分に大きなものが得られたと思います。この銀メダルっていうものを、素直に受け止めたいと思っています。ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックという舞台で、パフォーマンスができたことを心から幸せに思います。団体戦、個人戦ともに楽しく滑れたことがなによりの経験であり、最大限の挑戦ができたことが良かったです。」
自身の演技に達成感以上に悔しさでいっぱいだったであろう鍵山選手は、キスアンドクライでイリア・マリニンの演技を見届け、いよいよ結果を待っていました。そして、発表された自身の銀メダルという結果より、ライバルであり仲間でもある佐藤駿選手の銅メダルを満面の笑みで称え祝福するシーンが感動的でした!
自分の事より人の事で喜べる人って、人の何倍も喜べる幸せな人なのかもしれませんね。「人の事に一生懸命」人事・経営管理本部で入社4年目に突入する部下の佐藤は、「人の事で喜べて人の事で泣ける人財を増やしたい」と新年度は形骸化していたメンター制度を見直して先輩と後輩が共に成長できるチーム作りを目指し運用したいと自身の挑戦への思いを伝えてきました。このように部下が自ら自分の考えや思いを伝えてきたのは今回が初めてのことで一瞬驚きましたが、私にとってすごく嬉しい瞬間でもありました。この3年間「師弟同行」「師弟共励」をモットーに、人の事に一生懸命になった経験を通して培ってきた知見を武器に、これまで幾度となく流した悔し涙や嬉し涙、そして悔し涙が育んだ溢れる思いに背中を押され、大きな挑戦を決意した部下に私は特別な金メダルを授けたいと思いました。今年こそは、部下の佐藤を主役に彼の挑戦をキスクラから見守りたいと思います!
